しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Miles Davisのおじいさんの教え

f:id:Untitledtrueman:20210207093032j:plain

「私のおじいさんは私の父に、『誰かから金を受け取ったら、どこで、だれから受け取ろうと、必ず自分で数えるんだ。そして、その金が全部そこにあるか、確認しろ』と教えたんだ。金のことになると、だれも信用できないんだ、たとえ自分の家族であってもね、というのがおじいさんが父に教えたことだった。ある時、おじいさんは父に『ここに1,000ドルあるから、銀行に行って預けてこい』と言っておつかいに出した。銀行は家から30マイルも離れたところにあった。アーカンサスの夏、外は38度の暑さだ。父は歩き、そして馬に乗って銀行に向かった。銀行に着いて、金を数えたら950ドルしかない。父は金を数え直した。やっぱり950ドルしかない。仕方なく父は家に引き返した。怖さのあまりお漏らししそうになりながらね。家にたどり着き、おじいさんのところにいって50ドル無くしたと白状した。おじいさんは少しも動じず、父を見ろしていった。『家を出る前に金を数えたか?』いいえ、数えませんでした、と父は答えた。『そうだろう。』おじいさんは言ったんだ。『俺はお前に950ドルしか渡さなかったんだよ。お前は一銭も無くしちゃいない。しかし、お前に言わなかったかな?金を数えろ、と。だれの金でも、たとえ私の金でもだ。ここにあと50ドルある。数えろ。そして、言った通りに銀行に行って金を預けてくるんだ。』忘れちゃいけないのは、銀行までは30マイルもあったってだけじゃなく、外はクソみたいに暑かったってことだよ。そんなことを自分の子供にさせるなんて、冷酷な父親だよね。でも、ときには、それくらい冷酷になる必要があるんだ。」

マイルス・デイビスの自伝、20年以上前に買って最初の方だけ読んでそのままになってるんだけど、この部分だけずっと心に残っていて、お金が問題なるごとに思い出す。マイルス・デイビスのおじいさんの教えは、私の心の中にも生きているんです。

すごいね、マイルスのおじいさんって。

Alby, is this a Middle-life Crisis?

f:id:Untitledtrueman:20210131100553j:plain

Rolleicode V + Xenar 75mmF3.5 + FujiPro160N

ルサンチマンを抱えた個人は、その状況を改善するために次の二つの反応を示します。①ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する②ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる」

(引用元:山口 . 武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.832-834). Kindle .)

 

②の「転倒させる」とは、手が届かない高いところにあるぶどうを見つけて、本当はそれが食べたいのに、自分の手が届かないという事実を直視しなくても済むように「あんなところにあるぶどうは酸っぱいに違いない」と自分に納得させることである。

イソップ物語の「酸っぱいぶどう」だ。もし、今後、5歳ぐらいの男の子に、「良き人生を送るための要諦を教えてほしい」と問われることがあったなら、ぜひこの話を熟読吟味し、ルサンチマンの虜になることがないように充分気をつけるべし、と教えてあげよう。

多分そんな機会はないと思うけど。

 

 

Changes

Leica M3を入手したのはいつだっただろう。2017年の夏だったかな。バックドアが軋むのがいまひとつだけど、きれいな写真を撮れるのであった。レンズは、ここのところElmar 50mmF2.8をつけっぱなしである。実際、M3にはこのレンズが一番相性がよいような気がする。

f:id:Untitledtrueman:20201230195716j:plain

Leica M3 + Elmar 5cmF2.8 + Kodak Colorplus 200

製造されて60年くらい経つレンズだけど、今でも十分クリアでシャープな写真が撮れるのだ。

f:id:Untitledtrueman:20201230195858j:plain

Leica M3 + Elmar 5cmF2.8 + Kodak Colorplus200

全く意図していなかったのだけど、いつもの散歩コースで、全く同じところで、同じアングルで1週間ほど間をあけて紅葉を撮っていた。

 

たった1週間なのに(もしかしたら2週間くらいあいてたかな)、ずいぶん様子が異なるものですね。

フランス人が見た日本

f:id:Untitledtrueman:20200928011607j:plain

Leica M2 + Elmarit 28mmF2.8 + Kodak Proimage 100

「・・・根源をもたぬ繰り返し、原因のない出来事、人間のいない記憶・・・」

ロラン・バルト「表徴の帝国」ちくま学芸文庫 125頁)

外付けファインダーと「抑圧移譲の原理」

f:id:Untitledtrueman:20200927094712j:plain

Rolleicord + Xenor75mmF3.5 + FujiPro160NS

イカの28mmの外付けビューファインダーが欲しい。欲しいが、売っていない。売っていてもとても高い(程度のいいものは7万円!)。誰が買うのか?宇宙人?普通の地球人向けのお値段のもの(3万円台)を見つけて覗いてみたら、曇ってるっていうか、ゴミだらけで前がよく見えない。。この状態のお品に値段がつくことが驚きですが、古来、物の値段は物自体の絶対的価値ではなく、需要と供給の相関関係によって決まるのである。

「ところでここに一つの問題がある。筆者はかつて日本の社会体制に内在する精神構造の一つとして「抑圧委譲の原理」ということを指摘した。それは日常生活における上位者からの抑圧を下位者に順次委譲して行くことによって全体の精神的なバランスが保持されているような体系を意味する。この原理は一体、上にのべたような日本ファシズムの体制の「下剋上」的現象とどう関連するのだろうか。両者は矛盾するのだろうか。そうではない。「下剋上」は抑圧委譲の楯の半面であり、抑圧委譲の病理現象である。下剋上とは畢竟匿名の無責任な力の非合理的爆発であり、それは下からの力が公然と組織化されない社会においてのみ起る。それはいわば倒錯的なデモクラシーである。本当にデモクラチックな権力は公然と制度的に下から選出されているというプライドを持ちうる限りにおいて、かえって強力な政治的指導性を発揮する。これに対してもっぱら上からの権威によって統治されている社会は統治者が矮小化した場合には、むしろ兢々として部下の、あるいはその他被治層の動向に神経をつかい、下位者のうちの無法者あるいは無責任な街頭人の意向に実質的にひきずられる結果となるのである。」

 

丸山 眞男,古矢 . 超国家主義の論理と心理 他八篇 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.2222-2235). Kindle . 

フィルム製造継続の雲ゆき

f:id:Untitledtrueman:20200923001842j:plain

Leica M5 + Summicron 35mm + Kodak Ultramax400

冬のパリは、日が短かったな〜。年末からお正月にかけて4日ほどの滞在でしたが、来る日来る日も曇天のくら〜い日々でした。

春か、夏にまた行きたいな。

ところで、先日、アマゾンで富士フィルムProviaを5本買おうと思ったら、「この商品は数量制限がございます」って表示されて、なんと1本づつしか買えない!どうしてだろう?

フィルム一個のために配達の人に動いてもらうのも申し訳ないので、仕方ないので、少々割高だな〜と思いながらもコダックのEctachromeを5本お願いしたんだけど、こちらは賞味期限?が2021年5月。

秋の間に使い切ると思うので、いいんだけど、スライドフィルムが手に入らない!ってことになったらどうしようと、夜も眠れないのです。

Ectachromeが復活して、Acros100も復活して、フィルムユーザーには束の間の春がおとづれたかという気がしておりましたが、またフィルムの存亡、雲行きが怪しくなってきたかな。

カラーネガもいいんだけど、肉眼でフィルム上の画像を見ることができるスライドフィルムの面白さは、やはり他で代えられるものではないので、なんとか生産を続けて欲しいな。。

中古カメラ市場はまた少し活況を取り戻しているようで、横浜More'sのキタムラでもフィルムカメラがきれいに展示してあったけど、もしかすると在庫の中古商品を売り切ろうとする業界の最後の悪あがき?などと勘ぐってしまう。

フィルムの製造継続いかん、それだけが私の目下のお悩みであります。能天気なことに。。

「ライカ同盟」

f:id:Untitledtrueman:20200922041819j:plain

Leica M3 + Elmar 5cm F2.8 + Kodak ProImage100

近所の古本屋で、尾辻克彦の「ライカ同盟」(1994年9月1日発行)を見つけた。だいぶ痛んでいたし、折込や書き込みの多い本だったけど500円だったので買ってしまった。

この本屋では、中平卓馬篠山紀信の「決闘写真論」(1977年9月20日)も見つけてしまい、こちらも日焼け、傷みのあるものだったが、購入してしまった。

そういえば、岩波書店より1999年に発刊された「日本の写真家36 中平卓馬」も買ってしまったのだ。

f:id:Untitledtrueman:20200922041906j:plain

Leica M3 + Elmar 5cm F2.8 + Kodak Proimage 100

このお店、もう私も狙い撃ちにした品揃えをしているとしか思えないけど、ウィリアム・クラインの「NEW YORK」は躊躇しているうちに、誰かに持っていかれてしまった・・これも傷みがひどかったのだけど、今考えてみると、15,000円なら破格だったかな。