「ルサンチマンを抱えた個人は、その状況を改善するために次の二つの反応を示します。①ルサンチマンの原因となる価値基準に隷属、服従する②ルサンチマンの原因となる価値判断を転倒させる」
(引用元:山口 周. 武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50 (Japanese Edition) (Kindle の位置No.832-834). Kindle 版.)
②の「転倒させる」とは、手が届かない高いところにあるぶどうを見つけて、本当はそれが食べたいのに、自分の手が届かないという事実を直視しなくても済むように「あんなところにあるぶどうは酸っぱいに違いない」と自分に納得させることである。
イソップ物語の「酸っぱいぶどう」だ。もし、今後、5歳ぐらいの男の子に、「良き人生を送るための要諦を教えてほしい」と問われることがあったなら、ぜひこの話を熟読吟味し、ルサンチマンの虜になることがないように充分気をつけるべし、と教えてあげよう。
多分そんな機会はないと思うけど。