しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Miles Davisのおじいさんの教え

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「私のおじいさんは私の父に、『誰かから金を受け取ったら、どこで、だれから受け取ろうと、必ず自分で数えるんだ。そして、その金が全部そこにあるか、確認しろ』と教えたんだ。金のことになると、だれも信用できないんだ、たとえ自分の家族であってもね、というのがおじいさんが父に教えたことだった。ある時、おじいさんは父に『ここに1,000ドルあるから、銀行に行って預けてこい』と言っておつかいに出した。銀行は家から30マイルも離れたところにあった。アーカンサスの夏、外は38度の暑さだ。父は歩き、そして馬に乗って銀行に向かった。銀行に着いて、金を数えたら950ドルしかない。父は金を数え直した。やっぱり950ドルしかない。仕方なく父は家に引き返した。怖さのあまりお漏らししそうになりながらね。家にたどり着き、おじいさんのところにいって50ドル無くしたと白状した。おじいさんは少しも動じず、父を見ろしていった。『家を出る前に金を数えたか?』いいえ、数えませんでした、と父は答えた。『そうだろう。』おじいさんは言ったんだ。『俺はお前に950ドルしか渡さなかったんだよ。お前は一銭も無くしちゃいない。しかし、お前に言わなかったかな?金を数えろ、と。だれの金でも、たとえ私の金でもだ。ここにあと50ドルある。数えろ。そして、言った通りに銀行に行って金を預けてくるんだ。』忘れちゃいけないのは、銀行までは30マイルもあったってだけじゃなく、外はクソみたいに暑かったってことだよ。そんなことを自分の子供にさせるなんて、冷酷な父親だよね。でも、ときには、それくらい冷酷になる必要があるんだ。」

マイルス・デイビスの自伝、20年以上前に買って最初の方だけ読んでそのままになってるんだけど、この部分だけずっと心に残っていて、お金が問題なるごとに思い出す。マイルス・デイビスのおじいさんの教えは、私の心の中にも生きているんです。

すごいね、マイルスのおじいさんって。