しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Fujifilm X-T4: How far is the Moon?

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Fujifilm X-T4 + XF35mmF1.4 + Adobe LR

子供に「おひさま」の絵を描かせると、だいたい赤いクレヨンを選ぶのですが、よく考えてみたら、太陽って「赤く」ないですよね。緑色の信号を「青信号」って呼んでみたり、僕ら日本人の色彩感覚、というか、色彩と言語の結び付け方って、ちょっとクセがあるように思います。緑色の信号を青信号というのは、単なる習慣なのかもしれないけど、「みんな、おひさまの絵を描いて〜」と言ったときにそれが、多くの子供たちが赤色のクレヨンに手を伸ばす、という物理的、肉体的な結果に接続するというのは、単なる「習慣」では済まされないような気がするのだ。

実際、外国のこどもたちにおひさまの絵を描かせると、赤色で描くのは、あまり多くないようである。

えーと、何が言いたいかっていうと、まあ、当たり前だと思ってることも実は立ち止まってよく考えてみると、あまり深い意味はない、というか、結局周りが赤いクレヨンでお日様描いてるから、俺も赤で描くかなっていうことを考え出すのは、実は、世間に揉まれて「すれっからし」になってから、というわけではなくて、割とかなり早い幼い段階から、それは始まっていたのではないかと、こう考えるわけです。

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Fujifilm X-T4 + XF35mmF1.4 + Adobe LR

部屋の中を暗くして、小さな人形を懐中電灯で照らすと、壁にその人形の影が大きく映る、ということがありますよね。その効果を、「ファンタスマゴマリー」というのだそうです

「ファンタスマゴリーというのは、何の変哲もないただのオブジェに光を照射することによって、スクリーン上に怪物のように巨大な影を映し出す「幻灯装置」のことである。」仲正 昌樹. 集中講義!日本の現代思想 ポストモダンとは何だったのか (NHKブックス) (Japanese Edition) (Kindle の位置No.1590-1592). Kindle . 

消費社会における「商品」が放つ理性では説明しきれない役割についてヴァルター・ベンヤミンという思想家が「パサージュ論」という本の中で検討しているそうです。本屋さんでみてみたら、分厚い文庫が5冊くらい?あり、これを読み切るのは当分先の話になりそうですが、でも、「ファンタスマゴリー」効果の威力については、いつもライカストアや、中古カメラ屋さんで、直接的に「ファンタスマゴリー」光線を浴びまくっているので、たぶん、大体理解できているのではないか、と思う次第である。

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Fujifilm X-T4 + XF35mmF1.4 + Adobe LR

ところで、ここしばらく、ライカMばかりを使っていたので、久しぶりにX-T4にXF35mmF1.4の単焦点レンズ、という組み合わせで、先週末は街歩きをしてみたのでした。

感想としては、やはり、軽いって、いいですね。。それにオートフォーカスも楽。プログラムオートなら、絞りすら考える必要ないし。。もう脳みそが溶けてなくなってしまいそうです。EVFで露出も含め、撮影結果をあらかじめ確認しながら(結果を予見できるって、考えてみるとすごいですよね)撮影できるので、背面液晶で確認するチンピングも必要なく、効率よく撮影できるっていったらないです。

なんだかんだで、10キロぐらい、歩いてしまった。ライカだと、7キロぐらいで相当へばってしまうのだけど、最新鋭のミラーレスカメラだと、体力を消耗しないっていうことなのかな。

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1週間ほど時間をおいて、画像を見てみると、やっぱり素直すぎるというかまじめすぎるというか、そのままだと物足りないような、薄い印象があるのだけど、こうしてLightroomでいじってしまうと、もう、どのカメラで撮っても同じ、っていう気がしてしまいますね。

今、半導体不足のせいか、デジタルカメラの中古品買取価格って、結構上がってるんですかね。マップカメラから、「お持ちのカメラの買取価格が上がりました!」っていうメッセージがしょっちゅう届くので、だんだん「売るなら今のうち?」っていう気がしてきていたのですが、まあ、この程度写ってくれるんだったら、もうこのまま壊れるまで、このカメラとライカMの2台体制でいいかな、っていうことが、確認できました。

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XF35mm F1.4は「神レンズ」と言われているそうですが、僕自身はこのレンズに「神」を見たことはないのですが、X-Pro1のレンズキットでついてきたレンズは、絞りリングがふわふわで、オートにしていると、気がつくとF16にズレてた、ということがよくあり、フードもすぐに外れてポトッと落ちるという、なんとも使いにくいレンズでしたが、2本目はその辺り多少改善されているように思います。

でも、最近33mmF1.4という後継モデルが発売されてるのですよね。まあ、いらないっちゃ、いらないんだけど、X-T4には、このちょっと鏡胴が長いレンズの方が似合うかな〜とか思ったりして、物欲を刺激されまくっております。最近ようやく品薄、在庫ないという状況もかいぜ慣れてきたようです。

ま、いずれにしてももう少し、X-T4使い込んであげないといけませんね。操作感は本当に上品で、とても良いカメラなので。。

でも、それより何より、最近のフイルムの値段高騰って、半端なくありませんん?トライエクスが1,500円越えって・・