しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Ricoh GR3x: 正法眼蔵の覚書き

Ricoh GR3x

迷を大悟するは諸仏なり、悟に大迷なるは衆生なり。さらに悟上に得悟する漢あり、迷中又迷の漢あり

(「正法眼蔵 現成公案の巻」(道元)より

思うに、デジタルカメラの写真は、生もの、である。すぐに刺身にして食べてしまわなければならない採れたての魚と同じである。残しておいてあとで食おうとか、保存しようなどと考えてはいけない。じゃんじゃん撮って、共有して、そして忘れるのだ。水が流れるように撮り続け、そして流すのだ、ざあざあと。誰も覚えてはいないだろう。正直なところ、撮った本人も覚えてないのだし。

ここ何年か、「縦位置」の写真って「あざとい」感じがして、特にライカでは横位置で撮ることを自分に課しておりました。ひとつには。「縦位置」の写真をこのブログに載せると、写真全体がマックの横長のスクリーンに表示されないという理由もありました。しかし、最近ふとしたきっかけで縦位置で撮った写真をフォトショップで2枚並べて貼り合わせるという技を覚えた。これならマックのスクリーンにも全体が表示される。

と、いうことで、久しぶりに「縦位置」をじぶんに解放したところ、いやいや撮れるとれる、なんでも面白そうに見えてきて、もうデータの整理が追いつかないくらいに撮れてしまいます。

2009年に初めてデジイチ買って写真撮り始めたのですが、その年の暮れにニコンニューFM2を買ってフィルムでの撮影を始めました。当時確かTri-Xが四百円くらいだった様な気がします。その後フィルム代、現像代が惜しくなってきて、Sony NEX-7でデジタルに復帰。しかし、NEXの画像が何故か目に痛いというか、人工的に感じることがあって、ふとしたはずみに2015年頃にまたフィルム撮影にい戻り、露出計の壊れたPen-Dを使う様になってからマニュアルで露出を合わせるというワザを覚えて、憧れのライカに手を出したこともあり、その後ずっとフィルムでの撮影がほとんど、年間100本のフィルムを消費した時期もありました。

しかし、最近またデジタルに戻りつつあります。フィルム1本1,500円越えの世界になってくると、さすがに立ち止まって考える様になったということもありますが、コロナ禍の只中に、物欲にのみこまれるように導入したフジフイルムのXシリーズの3台(!)のボディーを、今さらながらに使い始めて、気がついたんです。

今のデジタルカメラの画像っていち時期のぎこちなさの様なものを、感じなくなりました。実にナチュラルというか、とにかく違和感がない。現行機種のX-T4やX100Vのフィルムシミュレーションを使えば、フィルムで撮ってスキャンした画像のありがたみは、殆ど無効化されてしまうように思います。これが技術の進化というやつでしょうか。

ただ、デジタルで撮った画像がなぜか記憶に残らないという点は、やはり依然として変わらない様に思います。かつて居酒屋で仲間と酒を酌み交わしながら話したり、聞いたりしたことのなかに何年経っても忘れられないことがあるのに対して、オンライン飲みの場合、誰と何を話したのか、全くきれいさっぱりと忘れるように思うのですが、あれと同じような理屈かな?

撮影散歩の シメはハイボール

と、いうわけでございまして、私、GR3xにて、再びGRユーザーの世界に舞い戻って参りました。。今回アップロードする写真は全部GR3xにてシェイクダウン、「ポジフィルム調」にてJpeg撮って出しです。

しかし新しいGR3x正直いって、綺麗に写りすぎる・・この頃、すっかり運動不足か、はたまた酒の飲みすぎか?とにかく高止まりとなった自分の血圧が気になる私としては、運動がわりに早足でのお散歩をしているのだが、ここで高性能のカメラを持っていると、お散歩モードが容易に撮影モードに切り替わってしまい、歩行はそっちのけで、有酸素運動も忘れて、手振れ防止のために息を止めて、無酸素状態でシャッターボタンを押している自分がいるのであった。。

ということで、健康維持が主たる目的のお散歩にベストなカメラはこの、2008年発売のデジカメ、リコーのGX200である。

いや、とはいえRAWで撮ってLightroomで現像したら・・10年前のCCDとはいえ、全く侮れないのである!

Ricoh GX200

何はさておき、GR3xを購入の西新宿Mカメラの店頭にて、いつものグレーの手提げ袋に入れていただいたGR3xを片手に提げての帰りぎわに、フジの33ミリを見つけ、これまた店頭におかれておりましたX-T4のボディにつけてみた。

なにこれすげーいいじゃない!?ボディとのバランスもいいし、オートフォーカス速いし、静か!

と、いうことで、今月は厳しいのですけど、来月あたり33ミリF1.4逝っちゃってる様な気がします・・。