しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Leica M: 大口径レンズでみる夢と妄想のF1.4

Leica M + Voigtlander Classic 35mmF1.4II + Shot at F1.4

先週導入のコシナフォクトレンダーブランドのレンズ、かなり気に入って使っている。開放にした時にすごく面白いそれっぽい雰囲気の絵になるし、何より軽いのがいい。カメラがライカなのにレンズがライカじゃないのは意味無いでしょ、なんて考えて、無理してズミルックス買ったんだけど、すみません、はっきりいってこれで十分です。少なくとも、曇りやキズのある古いレンズを使うのだったら、新品なのにオールドレンズっぽいこのレンズを使うのが賢い選択ではないかと思う次第である。

レンズが軽いとそれだけでカメラも文字通り手軽に持ち出せるようになるし、正直なところ今まで高価なカメラとレンズに遠慮しながら写真撮ってたんだな、って気がついた。うーん、コシナ偉い!

考えてみるとフルサイズセンサー用のF1.4の大口径レンズがここまで小さくまとまる、というのは間違いなくレンズファインダー型の圧倒的なアドバンテージではないか。APS-CのミラーレスカメラでもF1.4となると、レンズはそこそこ大袈裟な図体になるから、持ち出す時点でちょっと気合がいるんですよね。

田中長徳氏が、レンズのボケを愛でるのは、料理を味あわずに料理が盛られた皿を愛でているようなもの、とどこかで書かれていて、それは本当にそのとおりだと思うのですが、しかしF1.4までクリックストップが刻んであると、やっぱりISOを最低にして絞りは開放にしてみたくなるのが人情というもの。だって撮れた写真が、なんとなく、意味ありげに見えちゃうんだもーん。一枚目もまるでホンダスーパーカブが何か語りかけてくるような気がしませんか。というのは、まさに大口径のレンズを開放にした時に僕らが見ることになる夢と妄想なのである。

もちろん、単に写真撮影用のレンズとしてこれでいいのか、っていう部分はあるのだと思うけど(逆光になると盛大なゴーストが出るとか、なんだかパープルフリンジ出てませんか、とか)、「僕、先生に気に入られたいと思わないし、べつに優等生になりたいわけじゃないし」っていう感じの開き直り方が、なんとなく気に入りました!

予算上の都合でコシナっていうのでももちろんいいのだけど、いや俺は敢えてコシナでいく!っていうのもそれはそれで十分アリ、なのだ、という気がする。

あとはこいつをつけたライカで旅に出るだけだな。どこに行こうかな。宇都宮に行ってギョーザでも食ってくるかな。