「それは、どちらでもよいだろう。しかし、先ず、われわれはある出来事に襲われないように気をつけよう」とあの方は言われました。
「どんな出来事でしょうか」と私は訊ねました。
「言論嫌いにならないようにしよう、ということだ。ちょうど、ある人々が人間嫌いになるように。というのは、言論を嫌うよりもより大きな災いが人を蒙ることはありえないからである」
(「パイドン 魂の不死について」プラトン著 岩波文庫 岩田靖夫訳)
土曜日の朝。いつになく早く目覚めて、布団の中で、スマホでネットサーフィンをはじめる。写真雑誌「日本カメラ」が廃刊になってしばらく経つが、同誌の編集者たちが立ち上げたウェブサイトを見ているうちに、ジョン・サイパル氏の「Tokyo Camera Style」に掲載されていた溝口良夫氏の35mmF2.0のズイコーレンズをつけた使い込まれたオリンパスOM-4に目が留まる。
その瞬間、久々の「OMモード」が戻ってまいりましたのです。
フィルムのOMシリーズはOM-1を初め何台かを持っているのですが、ここ2年ほどシャッターを切ることも無くなっていたので、まとめて手放そうかな、と思っていたのだけど、よかった、売らずにいて。
オリンパスってもうすぐ「OM SYSTEM」にブランド変更するのかな。デジタルのOM-1は好評のようだけど、今度OM-5が出るという噂があるみたいだ。今度こそ、おでこの「OLYMPUS」の文字が消えてしまうのだろうか。
個人的にはマイクロフォーサーズは、Pen E-P5を持っていて、これよりもアップデートする予定はないのであるけど、なんとなく、オリンパスのゆく末が気になる。
コルトレーンのような激アツ系ばかり聴いていると、ときどき、ビル・エバンスでほっこりしたくなります。
それと同じように、ライカや、フジフィルムのミラーレスデジタル一眼でギチギチっと、写真を撮っていると、ふとオリンパスOMのフィルムカメラに戻ってきたくなってしまうときがあります。OM-2SPの「くしゃあん」、としたシャッター音が聞きたくなって、寝室の棚の上で埃をかぶっていたカメラの電池を入れ替えて、いつものようにうちの猫を撮ってみます。
今回アップロードしたのは、東京上野方面の某中古カメラ店にて、たしか20,000円弱?で購入したOM-2nで撮影したものですが、依然としてこのOM-2、まったく普通に稼働してくれています。電子式カメラはいつ壊れるかわからないから・・・と敬遠していたのですが、いざ買ってみると、製造から40年?以上立っていても、意外と結構いけますし、やっぱり自動露出は気楽です。
そして、今、私の目の前には、あの、憧れのOM-4、黒のチタンモデルが・・・。