しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Pentax SP:大衆カメラというよりは、市民カメラ。

 

Pentax SP + SMC Takumar 28mmF3.5 + JHC Streetpan 400

再びペンタックスSPとタクマーレンズにJapan Camera HunterのStreetpan 400の組み合わせ。この日はどんよりと暗く曇った雨模様の日だったため、うっかり露出不足のカットを量産してしまった。

Pentax MZ-3 + SMC Pentax FA 35mmF2.0 + Ilford Delta 400

こちらはMZ-3で撮影したもの。

それにしても、いいな、ペンタックス

思いかえすと、最初にデジイチが欲しい、と思った時に第一候補に検討していたのはペンタックスK20Dだったのだ。しかし、ネットで色々調べているうちに、いくつかネガティブな情報に接してしまい、私の最初のデジイチオリンパスのE620になってしまったのでした。

でも、こうして古いペンタックスのカメラを使ってみると、なかなかいいのよね、これが。カメラそのものの良さ、というのもあるのかもしれないけど、なんというか、この肩ヒジの張らなさ、というのでしょうか。カメラの存在感が、希薄というか。水?空気?なので、写真撮りながら歩いていても、カメラのことが気にならないのですよね。そんなこと、どうでもいいっていうか。

これが、ライカのM5だったりなんかすると、通りがかりのおじさんに「お、すごいカメラ持ってるね!」なんて声かけられてしまったりして、カメラがすごいオーラを放ったりしてしまうのです。オリンパスのOMも意外と声かけられるんですよね、神保町で外国人の観光客に、懐かしいな、それ、昔、僕のグランドファーザーが使ってたんだ、どこで売ってるの?って聞かれたことがある。Nikon FM2でも声かけられたことがある。「知ってるか、それ250分の1秒でフラッシュがシンクロすんだ、だからバスケットとか、スポーツの試合の写真を撮るのにすごく役に立つカメラだったんだぜ」って、ボストンの公園のベンチでぼーっとしてる感じのにいちゃんにウンチク語られてしまった。

でも銀色のペンタックスSPなんて、希少価値ないからでしょうか、誰も声かけてくれない、というか、誰かの目に止まりそうな雰囲気がない(笑)。ズミクロンとかズミルックスとか、それっぽいイキフンの写真が撮れそうな気配もないので、ガシャッと巻き上げて、バシャバシャと適当にシャッターを切ってしまう。ファインダもよく見えないので、逆にピントが気にならない。F8くらいに絞って、レンズの距離指標である程度被写界深度の中に入ってりゃ、ま、いいか、っていう感じで、なんだかえらいファインダ暗いなーと思っていたら、レンズのレバーがいつの間にかズレて「AUTO」でなくて「MANUAL」になってた(つまり、実絞りになってる)。それでも気にならないもんね。「あ、こういうもんかな」って。

でも、そうやって気負わずにバシャバシャシャッターを切った中に、「お?」って思うカットがあることがあるのですよね。シャッターを切ったことも覚えていないようなのが。

例えばこの下のカットのような。え、これ、なんだかライカで撮ったみたい〜なんて。

Pentax SP + SMC Takumar 55mmF1.8 + Kodak Tri-X

タクマーレンズって、ライカレンズより柔らかさが出る時があるような気がする。まあ、カメラのレンズですから、開放で撮ればどれでもそんなもんでしょ、っていうことも言えるかもしれないけど、これって三千円か五千円くらいで買えるレンズなんですよね。そうすると、レンズに20万円とか、下手すると50万円とか出しちゃうって、なんだかどうよ?っていう気がふとしたりする。いや、私も一瞬気が狂って、タイ米はたいたことこと、あるんですけど(笑)。でも、ズミルックスを雨の日に外に持ち出してビニ傘片手に、これで写真撮ろうって、思わないわな〜。うっかりアスファルトの上に落としたりなんかした日にゃ、それ、「災害」級の悲劇ですよ。

というようなことで、先日6千円で買ったMZ-3も手に馴染むし、あれ、俺ってもしかしてペンタックスが一番生理的にあってるのかも?って思っちゃったんですね。で、土曜日の早朝にネットサーフィンしているうちに物欲が制御不能になってしまいました、と。

と、いうことで、ここしばらく躊躇しておりましたが、ついに私、ペンタックスに入党してしまいました。中古のK-3にて。。。

いやこれ、綺麗なカメラですし、いいカメラですよ。「ハイパーマニュアル」っていうのが、シンプルなアイディアですけど、いいアイディアですよね。絞りリングや物理的なシャッターダイヤルがないカメラって、前後のダイヤルを回しながら液晶画面の絞り値とシャッター速度を合わせるのって、なんか、イラッとくるんですよね。でも、こいつの場合、モードダイヤルをMにして「グリーンボタン」を押すと、いったん、露出計が測定した絞りととシャッター速度にしてくれるので、F16からF2.8までグリグリグリ〜、1000分の1秒から30分の1秒になるまでグリグリグリ〜っていうのがなくて済むのよね。これ、いいアイディアだわ、なんで他のカメラにこの機能がないんだろ。その他、オートフォーカスとマニュアルの切り替えとか、私も節操がないので、オリンパス、キャノン、ソニーニコン、フジフイルムと、これまで色々なデジイチを使ってきましたが、今回のペンタックス、さりげなく使いやすい、と感じてしまいました。

K-3 Mark IIIだとお高いけど、無印のK-3、キズ一つない良品が40,000円ちょっとで買えてしまった・・いやー、「え、いいんですか?」っていう感じのお値段ですが、久々にいい買い物だったな。

でも,、ペンタックスってなんか奇妙に中途半端な焦点距離単焦点レンズがたくさんあって、しかも見た目が結構可愛いんですよね。とりあえず一本めとして21ミリを合わせましたが、フルサイズに換算すると35ミリくらい?と思って選んだんですけど、実際には換算で31.5ミリだからどちらかというと28ミリに近い感触ですよね。他にも、15ミリとか、35ミリマクロとか、色々揃えたくなっちゃうっていうのが、少し恐ろしいカメラです。