しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Leitz-Minolta CL: TOKYO, APRIL 16, 1979

Leitz-Minolta CL + M. Rokkor 40mm + Oriental Seagull 400

 

1979年4月16日の東京。

どんな1日だったのだろうな。

なぜ、この特定の日のことを話題にしているのかというと、今、キース・ジャレットの「SLEEPER」というCDを聴いておりまして、これ1979年4月16日に東京で行われたコンサートのライブアルバムな訳であります。

1979年4月16日とはどういう日であるかというと、それは、ジョン・レノンが射殺されるよりも前のことである。ジョン・レノンが射殺されてしまった時、あの時こそが世界が合理性という基準、いや、あらゆる意味において「基準」という言葉の存在価値というか必要性を見失ってしまったときなのである。

でも1979年4月16日において、私たちは夢も、希望も、見失っていなかった。だから、ある意味、日本全国民が病的に楽天的だったということが言えないわけでもない。

何しろ、この年一世を風靡した楽曲が、

西城秀樹 ヤングマン(YMCA)

円広志 夢想花(翔んで、翔んで、翔んで、まわって、まわって、まわって〜ってやつですね。「翔んでる女」っていうのも流行ったような気が・・・)

八代亜紀 「舟唄」

いやこの他にも、久保田早紀の「異邦人」とか、山口百恵の「いい日旅立ち」とか、ジュディ・オングの「魅せられて」とか、今日定年を迎えるか迎えないかのおっさんたちがラブする楽曲は2000年を超える人類の歴史において、なぜかこの1979年という特定の年において集中的に量産されたのであります。

まあ、いいや。キース・ジャレットのこのライブアルバムのことでした。1枚目の「So Tender」という曲がいいな。ウキキー、ウキャキャーっていう感じの音楽とは、違うわな

〜って、思ってしみじみするというのは、終わりかけてるっていうことなのかな、私が。

あー、のび太くんの部屋の学習机の引き出しに入りたいな〜(笑)。

Leitz-Minolta CL + M. Rokkor40mm + Oriental Seagull 400

 

 

Leica M: 東京北町・北へ、東へ

Leica M240 + Nokton Classic 35mm SC II

久しぶりに虎の子のライカMを持ち出しました。レンズはフォクトレンダーの35ミリにて、荒川のこちら側の街を歩く。

東京はまだまだ広い。来週はどこまで行くだろう。

ひとまず赤羽まで歩いたので、次は荒川を渡って、足立区の方にいくことになるのかな。いずれにしても、東京は北、そして東の方がおもしろい。そんな気がします。

しかし、朝から冷たい雨が降っていたものの、晩秋らしい穏やかな日曜日でした。

唯一盛り上がったのは、藤浪晋太郎がリバティアイランド単勝一本に30万突っ込んだ瞬間だったかな〜。さすが大リーガー!「漢」見せてもらいました。

私もリバティアイランド軸で三連単流してましたので、一緒に散りましたが・・・笑。

PENTAX K-3: 「東京は、秋」

東京は秋。

Pentax K-3 + HD Pentax 20-40

秋になると、本棚から手にとって、また開きたくなる。荒木経惟の「東京は、秋」。東京を知らない人にとっては、意味を見出しがたい写真集かもしれないが、そういえば、私自身、東京を知っているというわけではない。そんな私にも、「東京」は、ある。そして、「東京」が故郷ではない人たち、「東京」とは縁もゆかりもない人たちにとっても、「東京」に秋は来る。

そして、誰にでも、東京の秋の中にいた記憶が、きっとあるはずだ。

まさに今、東京は、秋。

見知らぬ駅でふと電車を降りると、駅の北口に出る。そして、北に向かって歩いて行くのだ。秋が深まるほどに、東京の北の空は澄み渡っていく。

歩くほどに、東京の秋は深まっていく。





Pentax K-3: 東京中町景色

Pentax K-3 + HD PENTAX-DA21mmF3.2 AL Limited

東京、奥深い。荻窪駅に行こうと考えていたのだけど、降りたことのない駅で降りてみたほうが、面白いかな、と、一つ手前で降りてみた。そうしたら、実に面白い街の景色が広がっていたのであるけど、先週末入手のPentax K-3、オートフォーカスが迷ってシャッターが切れない・・・なれば、とマニュアルフォーカス仕様で。ペンタックスのリミテッドレンズは一応距離指標もついているから、F8、F11ぐらいに絞って、レンズの位置を無限遠の少し手前のあたりにして、そしてシャッターを切れば良い。

杉並区は、世田谷区と下町の中間あたりの雰囲気。山手でもなく、下町でもない。中町っていう感じだろうか。

東京の、秋。北に向かって歩けば、空が綺麗に写る。

来週は「東京北町」?へ歩いて行くことになるだろう。やはり、秋の北空は綺麗に映るはずだ。

 

Pentax SP:大衆カメラというよりは、市民カメラ。

 

Pentax SP + SMC Takumar 28mmF3.5 + JHC Streetpan 400

再びペンタックスSPとタクマーレンズにJapan Camera HunterのStreetpan 400の組み合わせ。この日はどんよりと暗く曇った雨模様の日だったため、うっかり露出不足のカットを量産してしまった。

Pentax MZ-3 + SMC Pentax FA 35mmF2.0 + Ilford Delta 400

こちらはMZ-3で撮影したもの。

それにしても、いいな、ペンタックス

思いかえすと、最初にデジイチが欲しい、と思った時に第一候補に検討していたのはペンタックスK20Dだったのだ。しかし、ネットで色々調べているうちに、いくつかネガティブな情報に接してしまい、私の最初のデジイチオリンパスのE620になってしまったのでした。

でも、こうして古いペンタックスのカメラを使ってみると、なかなかいいのよね、これが。カメラそのものの良さ、というのもあるのかもしれないけど、なんというか、この肩ヒジの張らなさ、というのでしょうか。カメラの存在感が、希薄というか。水?空気?なので、写真撮りながら歩いていても、カメラのことが気にならないのですよね。そんなこと、どうでもいいっていうか。

これが、ライカのM5だったりなんかすると、通りがかりのおじさんに「お、すごいカメラ持ってるね!」なんて声かけられてしまったりして、カメラがすごいオーラを放ったりしてしまうのです。オリンパスのOMも意外と声かけられるんですよね、神保町で外国人の観光客に、懐かしいな、それ、昔、僕のグランドファーザーが使ってたんだ、どこで売ってるの?って聞かれたことがある。Nikon FM2でも声かけられたことがある。「知ってるか、それ250分の1秒でフラッシュがシンクロすんだ、だからバスケットとか、スポーツの試合の写真を撮るのにすごく役に立つカメラだったんだぜ」って、ボストンの公園のベンチでぼーっとしてる感じのにいちゃんにウンチク語られてしまった。

でも銀色のペンタックスSPなんて、希少価値ないからでしょうか、誰も声かけてくれない、というか、誰かの目に止まりそうな雰囲気がない(笑)。ズミクロンとかズミルックスとか、それっぽいイキフンの写真が撮れそうな気配もないので、ガシャッと巻き上げて、バシャバシャと適当にシャッターを切ってしまう。ファインダもよく見えないので、逆にピントが気にならない。F8くらいに絞って、レンズの距離指標である程度被写界深度の中に入ってりゃ、ま、いいか、っていう感じで、なんだかえらいファインダ暗いなーと思っていたら、レンズのレバーがいつの間にかズレて「AUTO」でなくて「MANUAL」になってた(つまり、実絞りになってる)。それでも気にならないもんね。「あ、こういうもんかな」って。

でも、そうやって気負わずにバシャバシャシャッターを切った中に、「お?」って思うカットがあることがあるのですよね。シャッターを切ったことも覚えていないようなのが。

例えばこの下のカットのような。え、これ、なんだかライカで撮ったみたい〜なんて。

Pentax SP + SMC Takumar 55mmF1.8 + Kodak Tri-X

タクマーレンズって、ライカレンズより柔らかさが出る時があるような気がする。まあ、カメラのレンズですから、開放で撮ればどれでもそんなもんでしょ、っていうことも言えるかもしれないけど、これって三千円か五千円くらいで買えるレンズなんですよね。そうすると、レンズに20万円とか、下手すると50万円とか出しちゃうって、なんだかどうよ?っていう気がふとしたりする。いや、私も一瞬気が狂って、タイ米はたいたことこと、あるんですけど(笑)。でも、ズミルックスを雨の日に外に持ち出してビニ傘片手に、これで写真撮ろうって、思わないわな〜。うっかりアスファルトの上に落としたりなんかした日にゃ、それ、「災害」級の悲劇ですよ。

というようなことで、先日6千円で買ったMZ-3も手に馴染むし、あれ、俺ってもしかしてペンタックスが一番生理的にあってるのかも?って思っちゃったんですね。で、土曜日の早朝にネットサーフィンしているうちに物欲が制御不能になってしまいました、と。

と、いうことで、ここしばらく躊躇しておりましたが、ついに私、ペンタックスに入党してしまいました。中古のK-3にて。。。

いやこれ、綺麗なカメラですし、いいカメラですよ。「ハイパーマニュアル」っていうのが、シンプルなアイディアですけど、いいアイディアですよね。絞りリングや物理的なシャッターダイヤルがないカメラって、前後のダイヤルを回しながら液晶画面の絞り値とシャッター速度を合わせるのって、なんか、イラッとくるんですよね。でも、こいつの場合、モードダイヤルをMにして「グリーンボタン」を押すと、いったん、露出計が測定した絞りととシャッター速度にしてくれるので、F16からF2.8までグリグリグリ〜、1000分の1秒から30分の1秒になるまでグリグリグリ〜っていうのがなくて済むのよね。これ、いいアイディアだわ、なんで他のカメラにこの機能がないんだろ。その他、オートフォーカスとマニュアルの切り替えとか、私も節操がないので、オリンパス、キャノン、ソニーニコン、フジフイルムと、これまで色々なデジイチを使ってきましたが、今回のペンタックス、さりげなく使いやすい、と感じてしまいました。

K-3 Mark IIIだとお高いけど、無印のK-3、キズ一つない良品が40,000円ちょっとで買えてしまった・・いやー、「え、いいんですか?」っていう感じのお値段ですが、久々にいい買い物だったな。

でも,、ペンタックスってなんか奇妙に中途半端な焦点距離単焦点レンズがたくさんあって、しかも見た目が結構可愛いんですよね。とりあえず一本めとして21ミリを合わせましたが、フルサイズに換算すると35ミリくらい?と思って選んだんですけど、実際には換算で31.5ミリだからどちらかというと28ミリに近い感触ですよね。他にも、15ミリとか、35ミリマクロとか、色々揃えたくなっちゃうっていうのが、少し恐ろしいカメラです。

 

Canon F-1:猫のいるふうけい

写真家の中平卓馬氏に憧れてキヤノンのF-1と100ミリのマクロレンズを手に入れたのは、8〜9年くらい前のことだっただろうか。久しぶりに装填してあったフイルムを取り切ったので、巻き戻して裏蓋を開けてシャッターをチェックしたら、後幕に油が染み出していた・・。カメラは仕舞い込んでおくとろくなことはありませんね。やはりある程度使ってあげないとダメだな。現像したフィルムを見ると最初の方にオリンピックの閉幕式のテレビ画面が写っていたから、かれこれ2年近い年月が経過してしまっていたというわけである。

今のところ、光線漏れがするといったような不都合は生じていないようなので、しばらく様子を見て、不具合が出るようになったら、どこかでシャッター幕を変えてもらうかな。もう一本フィルムを取り切るのはまた2年後になるかもしれないし・・

Canon F-1 + 50mmF1.4 + Kodak Tri-X 400

ところで、本日久しぶりに藤沢の「こぐま」というかわいい名前のラーメン屋に参上。10年ぶりくらいかも。備忘録として書いておくのだけど、ここはトッピングとしてバターとコーンをお願いするのが通とみた。「素」の味噌ラーメンも十分美味しかったけど、次回はバターとコーンを忘れないようにしよう。土曜日は11時から1時までの2時間の勝負であることも覚えておこう。大切なことだから。

とろりとしたスープともっちりした麺が絶品である。



 

 

「東京ニコン日記」読了。

数寄屋橋交差点 Fujifilm X-T4 + XF14mmF2.8

田中長徳氏の「東京ニコン日記 カメラジャーナル新書11」(1998年6月1日発行)を中古本屋さんより、取り寄せ。730ページの分厚さで、実に堪能してしまった。おかげで有意義な3連休となりました。

私たちが日々当たり前のものとして目の前にある都市の風景は、50年も経ってしまうと、すべて、跡形もなく消え去ってしまうのだということが、よくわかります。

だから、こうして無目的的に写真(というか、デジタル画像)を撮り歩くということも、あながち全く無意味ということはないのかもしれません。

と、いうことで、早速21ミリ(35ミリ換算)のレンズをつけたX-T4で2023年の東京の街角を、撮っておく。

コリドー街 Fujifilm X-T4 + XF14mmF2.8

ところで最近、リコー・ペンタックス・ウイルスに冒されてしまったのか、24時間おきに発作のように襲ってくる「K -3MarkIII欲しいよ」症候群と格闘中です。最近、結局私が好きなのは、黒白の画像なのだということがわかってきた今日この頃。それならK-3モノクロームなんか逝っちゃってみちゃったりしちゃったりしたら、どうなっちゃうんだろう。とか、想像しない方がいいな。ほんとに欲しくなるから。

しかし、一日中よく降ったな〜。

おかげでマップカメラまでで出かける気がしなくなって、なんとか散財を回避することができました。