しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

Rolleicord & Leica M6: La Fiesta del Verano ha vuelto a Casa

Rolleicord V + Xener 75mm F3.5 + Fujicolor Acros 100 II

「収束」と「終息」の違いについて、侃侃諤諤議論した日々もあったが、今年は、ようやく夏祭りが還ってきました。

Leica M6 + Elmarit 28mmF2.8 + Ilford HP Plus 3200

むかーし、昔のロバート・デニーロの映画、「ディア・ハンター」の中で、ベトナム戦争の激戦のなかで友だちを見失って、一人故郷に帰ってきた主人公が、鹿狩りにいって、崖の淵まで若鹿を追い詰めて、ライフルで狙いをつけるんだけど、引き金を引かず、照準器から目を外して、そして鹿に語りかけるように「これでいいのか?」と呟いて、鹿を逃してやる。というシーンがあった。その後、デニーロは、崖の淵に腰を下ろして、谷の底に向かってもう一度、「これでいいのかー?」と叫ぶのですが、これがその後アメリカで見た英語版(というか、原語版ですね)では、

「all right?」

だったと思う(確か・・・記憶あやふやです。)

その後スペインで見たスペイン語版では、

「de acuerdo?」

でした。崖に向かって、

「デ・アークエールドーっ?」

て叫ぶのですが、これって日本語で言うとニュアンスとしては、「わかったかー?」っていう感じだと思うのですが、「これでいいのかー」よりはもう少し軽いというか、これでいいのか、ってすごく肩に力が入った感じじゃないですか、何となく。「お前、これでいいと思ってるのか!?」みたいな。政治的なニオイがするんだよね。

もっと優しく?「優しく」っていう言葉も最近コマーシャルっぽい匂いが染み付いてきたような気がして嫌いなんで、ちょっと違うんだけど、「ニュートラルに」っていうのかな。とにかく、静かに、シカ、ないし、自分自身に問いかける感じがするんですよね、「de acuerdo?」って。「これでいい?」って。

と、いっても、私、スペイン語、喋れないので、まったく根拠のない憶測ですが(笑)。

とにかく、私はこの映画のこのシーンがとても好きで、時々フラッシュバックのように思い出しては、「やっぱりあそこは、『これでいいのか!?』じゃなくて、『デ・アクエルド?』がしっくりくるよな」と、独り合点しているわけなのである。

それにしても静かな6月の夜。こんな夜には、久しぶりにU2の80年代の曲が聴きたくなりますね。

De acuerdo?

追記:「Deer Hunter」の脚本を確認したところ、あのセリフは、「Okay!?」だったようです。そうそう、だから「あれ?日本語吹き替えで見た時と、ずいぶん印象違うな」って思って、「これでいいのか」がまさにこれでいいのか!?と考えだしたのでした。