なんとなく、頭がパンパンである…脳みその容量って、歳をとると減るのだろうか。一度にいろいろなことを考えるのがすっかり苦手な今日この頃である。なので、カメラを持ってどこに行けば良いのかもよくわからないし、考えられない。そのうち、カメラを持ってどこにいるのかがわからなくなりそうだ。
こんな日は軽いコンデジ一台で、軽く散歩をするのが良い。
しかし、頭の中がパンパンで思考できないので、気がついたらペンタックスSPもカバンに入れていた。
錦糸町の駅を降りるといつもどおり、北に向かって歩き出す。写真は順光でなければ写らないから。そのことはアラーキーの著作を種々読んで、学んだ。
もっとも、気の向くまま、足の向くままに角を曲がっているうちにどの方向に向かって歩いているか、わからなくなることも多い。
しばらく歩いていると、腹が減ってきて、朝からモヤモヤしていた胃が軽くなってくる。腹が減ったからといって、ここでラーメンなんか食べたら最悪な結果になる事は分かっている。
歩いているうちにカメラバックが痩せた左肩に程よく食い込んで、馴染んで軽くなってくる。ここはどこ?墨田区横川2丁目だ。
曳舟高木神社の斜め向かいに「みやこ」との小さな小料理屋あり。ご迷惑でなければ今度ふらりとよさせてほしい。夏の暑い日の夕方早い時間に。きりりと冷えたビールを小ぶりの江戸切子の青いグラスで、飲ませてほしい。
地下鉄で一駅、錦糸町まで帰って、居酒屋に入る。生ビール、そして壁に貼られたメニューの中でふと目についたゲソの天ぷら。テレビの東京競馬場は第11レースの真っ最中。1等テリオスベル単勝54.4倍だって?
他所の街で初めて入る居酒屋というのは不思議なもので、暖簾をくぐる前は少し緊張するが、入ってしまうと妙に馴染む。きっと誰も知ってる人に会う気遣いがないからだろう。生ビールを飲むと先ほどまで少しくキリリと痛んでいた胃袋がなぜかおとなしくなった。
土曜日の午後、店には行くところもなさそうな中年、初老の男たち。一人一人ビニール幕で区切られたスペースに大人しく収まって、静かに自分の酒を飲んでいる。
いずれにしてもゲソの天ぷらは次はないでしょう。次にこの店に来ることがあったなら、やはりアジフライだ。
カウンターの中の給仕さんたちは外国語で歓談中だ。僕らの話相手は、それぞれ自分のスマホだけ。つまるところこれが、僕たちが結局行き着いた、僕らの21世紀の世界なのだ。
いずれにせよ、地方競馬もなかなか面白そうだ。なにしろオッズが景気がいい。中央競馬では単勝で50倍なんて、ないからね〜。
明日G1、あるのかな。ゲフ。
「おねーさんすみません、ホッピーのシロ。それとねー、ネギマとねー…」
以下、記憶消滅。