少し前に、声優さんたちがたくさん出演している番組を見たんですが、「癒され」系っていうの?「癒し」系っていうの?聞いている人が気持ちよくなる声の出し方っていうのを開陳されている声優さんがいて、音声分析すると、その人たちの声というのは、末尾に少しだけ吐く息が残る感じ?があり、そこが人の感覚に気持ち良い感じを感じさせるということなのだようです。
「たっちゃん、大丈夫?」ではなくて「ごしゅじんさま(あhhhh・・・)、大丈夫(ウhhh・・・)?」という感じで。
そこで気がついたのですが、チェット・ベイカーの歌声もそうなんじゃないかと思うのです。語尾が「はフー」「フヒー」ってなってるんですよね。「マイファニーバレンイイhhhi...ンんhhhuuu..・・・」「スhiイーhhhhii・・ファニーhiiバahレンタahイイイーンンnnhhhh...」っていう感じで。(hが息が漏れるような音として脳内音声化してください。)
ただ、なんでもこういうアヘアヘフヒフヒ声にすれば、良いでしょうっていうのはちょっと違うんじゃないか。
あの大震災から10年が経ちましたが、この災害を乗り越えてきた子供達の非常に重くて、心にひびくヒストリーというものがあるのですが、それをお伝えするテレビ番組のアナウンスがやたらこのアヘアヘフヒフヒふへふへ声になっていたものがあって、うーん、なんだろう。
「〇〇くんはhhha、津波で流されたお父さんのohhことをoh、忘れたことはなかったahh...」
私は違和感を感じました。
事実より正しくて尊いものはないと思うので、それを演出で飾り立てる必要はないのだ。
あのアヘアヘフヒフヒ声を出しているアナウンサーは、いったい誰に、何を、どのように伝えたいと思っているのか。
事実をありのままに伝えるというのが報道のあるべき姿だと思うのだけど、昨今、報道がエンタメ化しているように思われるのは、年寄りの杞憂かな。まあ、楽しいことも大事だけれど、物事のうちで、エンタメ化できるようなこととそうではないこと、そうしてはならないことの違いぐらいははっきりとしておいた方が、良いのではないか。