しまりす写真館の現像室から

カラーネガフィルムでユルめに写真を撮っています

リコーGR3x:人生の短さについて

「便利さは強敵だよ。きっとコロナのあと気付くんじゃない?億劫なことを省略しないのが大事だって。」

荒木経惟(カタリココ文庫「超二流の写真家」大竹照子 随想録所収の対話より)

Ricoh GR3x

私が歪んでいるのではない、この世界が歪んでいるのである。

その証拠はどこにあるのか、と君は問うだろう。それこそ悪しき「エビデンシャリズム」というものだ、子供の口喧嘩で、「僕、そんなこと言ってない!」「言ったよ、嘘つきめ!」「いつ言った?いつ?何時?何分?何秒?」と詰め寄ってきて、勝ち誇ったように虫歯だらけの口を開けて笑う無邪気なる子供と同じなのだ、と僕は強く非難をするが、しかし君の矮小なる世界観に少しだけ付き合ってあげるならば、見よ、水槽中の水面を!

この世界の水平がどこにあるのかを教えているのだ、この水面が。

あれれれれ、このリコーGR3x、すごくいいよ、いい。使いやすい。ちっちゃくてどこにでも持っていけてかさばらない。そして何より、絵が綺麗というか、品がある(個人の感想です)。ポジフィルム腸で撮ると、ライカで撮ったような個性的な写真が撮れる(個人の感想です)。昔使っていたGR Digitalとは違う。。APS-CのGRも一時期使っていたけど、やっぱり少し大き過ぎた(GRにしては)。

40ミリの画角も28ミリに比べると使いやすい。特に家の中で撮る分には28ミリだと、色々雑多なものが入り込んじゃうんですよね。コロナ禍でのライフスタイルの変化を読んだのかな、標準域レンズを積んだGRって昔から話題に登ってはいたけど、みんながおうちに篭りがちな今がベストのタイミングだったのかもしれません。

寄れるからライカよりもいろんな写真を撮ることができるし、なんだか、これ一台あれば、もう他のカメラいらないかもって思っちゃう。こんなにいいんだったら、28ミリのGR3も買っちゃう?って、それはバッド・デシジョンであろう。カバンの中に画角の異なる2台のGRが入ってたら、どっちで撮ったらいいか迷ってしまうことになるから。

GRってちっちゃくで肩肘が張らないっていうか、肩も、肘もいらない、手先だけ、指先だけ?で取れちゃうので、なんだかどうでもいい感じの写真がどんどん撮れてしまいます。でも、そういうどうでもいい感じの写真の方が、さいきん好きなんですよね。

あ、自分の腕のなさ、センスの欠如については、さっき乗った山手線の網棚に置き忘れてきました。。

あー、ラーメン食べたい。食べに行こうかな。まだ昼ごはん食べてないし。

と、いうことで、炎天下のもと、早速近所のホームグラウンドラーメン屋に直行する私であった。。

ここはなんと言っても、味噌ラーメン一択であります。イタダキマース。

慌てて撮ったので、もやしがピンボケになってしまった。。すみません。

帰り道で出会ったクロちゃん。元気にしてたんだ。暑いねー。日陰の飛び石の上なら、少し涼しそうだね。

この速射性というか即時性がデジタルカメラの最大の利点、ですよね。

「誰彼を問わず、およそ多忙の人の状態は惨めであるが、なかんずく最も惨めな者といえば、自分自身の用事でもないことに苦労したり、他人の眠りに合わせて眠ったり、他人の歩調に合わせて歩き回ったり、何よりいちばん自由であるべき愛と憎とを命令されて行う者たちである。」

岩波文庫「人生の短さについて」セネカ著 茂手木元 蔵訳より)

さて、語ることとて尽きてしまったので、あとはGR3xで過剰に撮れてしまった写真たちをランダムにアップロードさせていただきます。